美味しいお米になりました2016


 〜美味しいお米になりました〜

私たちが、笠置町に移住して1年半が経ちました。今年は標高600mにある田んぼをお借りして、無謀にも無農薬・無化学肥料・稲架(はざ)干し(ぼし)の米作りに初挑戦しました。

この半年間、「命」を育む苦労と喜びを大いに体感することができました。


ヒエ取りに苦労し、待ちに待った出穂に大喜びし、天気予報に一喜一憂し、稲架(はざ)に干してからは台風上陸にハラハラし、田の神様に祈りながら、やっと出来上がったお米です。

地域の方々は、分からないことだらけの私たちに、助言や手助けを惜しまず、優しく見守ってくださいました。秋の長雨で田んぼに機械が入らず、手刈りでの稲刈りになった時には、嫌な顔一つせず手伝ってくださり、むしろ気落ちしている私たちを励ましてくださいました。

収穫の喜びは、今まで私たちを育んでくれた多くの方々、そして自然の力や見えない力への感謝の念になりました。

笠置山の水と風と土と太陽の恵みをいっぱいに浴びたコシヒカリは、光り輝く、つやつやの美味しいお米になりました。

2016年 10月吉日     

2016年の米作り

人生初の米作りです。
  
米作りの1年をざっと追ってみました。

2月 種籾の選別
前年の籾の中から良質の籾を選別します。
タップリの塩水に、籾を入れて、沈んだ籾のみ種籾とします。

2月〜3月中旬 寒晒し

種籾を冷水に漬け、ゆっくり発芽を即します。冷たい水に晒すのは、籾を鍛えるためとか。

3月22日 苗床作り

ぷっくり膨らんだ籾を苗床に撒きます。苗床の土は熱で消毒したものを使います。

3月下旬〜5月上旬

ビニールハウスの中に、シートで浅いプールを作り、苗床を並べます。
水を切らさないように管理して、20センチほどまで苗を育てます。

※ ここまでは、無農薬でお米を作ってるグループに入れてもらっての共同作業。


田んぼは、ご近所の田んぼを1枚お借りしました。1反弱。
   
5月8日 代掻き
田んぼに水を張り、耕運機で耕します。
田んぼの土を細かくして、田植えがしやすいようにします。



5月18日 田植え
田植え機を使って植えていきます。機械が植え残したところや端の方は
手植えをしていきます。







田植え〜8月下旬 水の管理、草取り、畔の草刈り
毎日田んぼの様子を見に行きます。
(水の管理)
水の管理はとても大事です。
水を深くして、稗(ひえ)の発芽を抑えたり、
しっかり稲の根が張るように、途中で水を抜いたりします。
(草取り)
無農薬で栽培する場合、草取りは、一番時間の取られる作業です。
(畔の草刈り)
モグラなどによる畔の切り崩しを早く見つけるためにも、カメムシの潜む場所を減らすためにも、畔の草刈りは重要です。    



←7月28日 待ちに待った出穂(シュッスイ)開始








9月17日 稲刈り 稲架干し
バインダーという機械を使って、刈り取る予定でしたが、長雨の影響でぬかるんだ田んぼで機械は動かず・・・。仕方なく、手刈りとなりました。この時ほど、地域の方々の力を感じたことはありませんでした。稲架(はざ)という木の杭と竹の竿でできた干場に稲束を掛けていきます。

乾燥(天日干し)
今年は、9月に雨がたくさん降りました。稲架に干したお米がなかなか乾かず、
カビが生えるのではないか、芽が出てしまうのではないかと、ハラハラ。
何とか15%の水分量まで乾き、無事収穫出来ました。

10月16日 収穫 脱穀、籾摺り

ハーべスターという機械を田んぼに入れて、稲束から籾をとります。



これが籾摺り機           籾摺り機を通して、玄米になりました。
      

残った籾、藁は、貴重な有機肥料になります。
この後、来年の米作りのために、籾は燻炭にして、藁はカットして、田んぼにバラまきます。

お須原様お祭り2016

農業の神様、お須原様のお祭りがありました。
秋晴れの天気の中、20名ほどで神様(祠)に礼拝し、その後は皆で酒を酌み交わし、
ワイワイとおしゃべり。
自治会入会して7か月、だんだんに顔見知りも増えて、緊張なく参加できるようになりました。
なんか、歓迎されている感じで、うれしいかぎり・・・。
お須原様


秋の田園風景に似合う柿の実




中山間地の米は美味しいぞ!

いろんな方のお米を買って、味わってみた。
どれもおいしい。

寒暖の差がある、山からの綺麗な水がある、だから農薬も1/4以下ですむ。
だから美味しい、本当に美味しい。

無農薬で作っている人、
稲架干し(天日乾燥)にこだわっている人
いろいろ、それぞれに、美味しいのだ。



この辺りは、まだ耕作放棄地は少ないように思う。
何とか、60代、70代の方が頑張っている。

多くの町民は、仕事の傍ら、昔からの田んぼを守り、米作りをしている。
サラリーマンの傍ら、米を作っていくには、耕運機、田植え機、稲刈り機が要る。
昔のように手作業で田植えや、草取りや、稲刈りはできない。
機械を保有していない人や面倒だと思う人は、業者に委託している。


中山間地という土地の形から、大規模農業はできず、専業農家は難しい。
数年前の田んぼ整備事業で、小さな石垣の棚田は消えた。
それでも、1反前後の田んぼが綺麗な棚田を作っている。

この美味しいお米と美しい田園風景を守っていきたいと思う。