【巨大イノシシ捕獲】
また、イノシシが箱罠に入りました。この冬二度目です。
今回はデカイ!重量100kgオーバーで、とても人間の力では軽トラに積めないということで、ユンボで吊り上げました。
写真左のお父さん、身長160cmくらいですが、イノシシの体長はどの程度でしょうか?
【解体】
今回もその場で血抜きをして、隣町の中野方町のジビエ解体所兼販売所「猪鹿とーる」へ持ち込んで、店主の小板さんと一緒に解体作業。あまりの大きさに四人での解体。
解体については見たくない人もいると思うので省略しますが、衛生的な処理が肝心。汚れが肉に付かないように、常にテーブルや手やナイフを清潔に保ちながら作業します。
小板さんの見立てでは6歳のオスのようです。
イノシシで一番美味しいのは3歳くらいと言われています。
前回3歳オスのイノシシを頂いて、本当においしかったので、今回は6歳だとどんな味なのか興味深々。
3時間ほどかけて解体終了。大量の部位を頂きました。
保管しきれないので、近所のみなさんに配りました。
【串焼き】
まずはサイコロ状にして串に刺して焚火でいただき。調味料は塩コショウのみ。絶品!
6歳でもそれほど固くない。
【生姜焼き】
次は生姜焼き。バカうま!豚肉料理にできるものは全てイノシシでできる。しかも豚よりもうまい!
【ボタン鍋】
定番ボタン鍋、味噌味。定番なのに、これが一番固く感じる。
火が通り過ぎると特に固い。これがイノシシを固いと感じさせる一番の理由かもしれない。その上イノシシの旨味が出汁として出ていってしまうので、肉だけ食べるとパサパサ感がある。
多分あまりイノシシに良い印象を持っていない人は、最初にこれで食べたんじゃないかな?
【イノシシつくね】
つくね。くず肉をひき肉にして頂きました。これは旨い!筋が固くてフードプロセッサーが効かないので包丁で細かく叩きましたが、筋はあまり入れない方が良いかも。ミンサー機がほしくなる。
【イノシシ肉ソーセージ】
今回はソーセージを作ってみました。ドイツ人は豚を食べる時にほとんど無駄にしないんだとか。腸を洗って、そこにミンチ肉を詰め込みました。塩コショウとウチにあった香辛料バジルやタイムなど様々入れて。茹でて食べるも良し。燻製も良し。ただし手間がスゴイ。これも専用の器械が欲しい。
【イノシシスペアリブ】
スペアリブ。醤油・みりん・焼き肉のたれに漬けて、オーブンで焼きました。
骨のまわりの旨味がスゴイ!
【イノシシカレー】
イノシシカレー。今まで食べたビーフ・チキン・ポークのどれよりも旨い!。
今回はお雑煮もイノシシでやってみましたが、イノシシはすごく良い出汁が出るんだよね。
【シシ骨ラーメン・チャーシュー】
ガラも使わなきゃ勿体ない。とろ火で8時間ほど煮込んでラーメンを作ろう!でも今どきのコンロでは安全装置が効いてチョイチョイ止まってしまう。ガス代ももったいないのでカマドを作ってみた。ウチにあったU字溝とブロックと煉瓦で作りました。「銭を使わずに、あるもので勘考する」のが長老の教え。
カマドってすごい。焚火と違って熱が一か所に集中するから燃料の効率が良い。火力が安定する。その上、山の枯れ葉や枯れ木を使うから燃料代もタダ。
昔、ラーメン屋の大将が言ってた、「しっかり煮込んだとんこつスープは白濁を越えて茶色くなる。本当のとんこつスープは茶色い」の言葉が忘れられない。
カマドを使ったおかげでたっぷり煮込んだスープは茶色く濁りました。
そして塩ベースでちょっと醤油をたらし、コショウや砂糖を入れて「イノシシ骨ラーメン」の出来上がり。
チャーシューは圧力鍋で煮込んで砂糖・醤油・みりんで味付けしたので、トロットロ。で。
激・激・激ウマ!
【シシタン塩焼き】
タン。舌ベラ。
冷凍して皮をそいで、スライスしました。
タン塩レモンで頂きました。やっぱりこれも鮮度が良いのか、豚タンより美味しい。
【イノシシジャーキー】
イノシシジャーキーを作るために、サクラのチップを作成中。
今回は市販の古いチップが残っていたので使わなかったけど、次回は天然素材でやります。
近所の家のまわりに捨ててあったトタンの波板を使って簡易スモーカーを作りました。
スネ肉でイノシシジャーキーを燻製しています。
塩・胡椒・香辛料・ワインに一晩漬け込んたものを風乾して燻製機へ。
イノシシジャーキーの出来上がり!
見た目美味しそうじゃないかな?ちょっと固いね。今回は6歳のオスだったし。
もっと若かったりメスだったりしたら柔らかいかも。
でも味は最高!
【レバーペーストサンド】
最後はレバーペースト。
レバーを人参・玉ねぎ・セロリ・ローリエを入れて煮詰めてフードプロセッサーにかけ、スープ・塩・生クリームなどで味を調整。
今回はパンの上にレバーペーストをたっぷり塗って、チーズをのせて焼きました。
もう、失神するほどの旨さ!
市販の飼育されている豚は狭い所でギューギュー詰めに飼われてストレスだらけ。飼料も遺伝子組み換えやら農薬まみれのものを食べさせられ、病気になりやすいから抗生物質漬け。その悪いものを全てレバーが蓄積する。安全基準としては満たされているけど、レバーが嫌いな子どもが多いのは当たり前。子どもは敏感なので、食べてはいけないものが分かるのでしょう。
それに対して野生のイノシシは山林を駆け回り、自然の栗やドングリ・タケノコ、場合によっては畑の大根(笑)などを食べて健康そのもの。レバーには一切悪いものは蓄積しておらず、市販の豚に比べて臭みはないし、何倍も旨い!
レバー嫌いなうちの孫も、イノシシのレバーなら全然抵抗なく食べられちゃいました。
【イノシシを美味しく食べるために】
イノシシを食べる上でまず大事なことは「季節」だと言われている。イノシシの狩猟期間は11月1日から3月15日ですが、ベテランの皆さんが言うには「1月15日以降は盛りがついて美味しくなくなる」とのこと。「夏より冬の方が脂がのっていて美味しい」とも言われます。とりあえず今年は11月と12月に頂きましたが、全く美味しかったです。それ以外の期間についても、今後結果を報告します。
また、「血抜きが重要」と言われています。止め刺し後、すぐに血抜きをしないと臭くなるそうです。昔食べたイノシシが臭かったというのは、たぶん血抜きに問題があったのでしょう。
「オスよりメスが美味しい」と言われるのですが、「オスよりメスの方が柔らかいだけで味は変わらない」とも言われています。まだメスを食べたことがないので分かりませんが。
「3歳くらいが美味しい、それ以上になると味が落ちる」とも言われていますが、前回は3歳くらい、今回は6歳くらいのを頂きました。味に関しては、若い方が旨いということはありません。ただし、若い方が多少柔らかいかもしれません。
料理法はかなり大事だと思います。部位ごとに美味しい料理法があると思われます。ドイツ人や沖縄の人は隅から隅まで豚肉を食べると聞きます。この地域では獣の料理に関する歴史が浅いので、かなりの部分を捨ててしまいます。様々な料理法を研究すれば、せっかくの命を無駄に捨てることなく頂くことができると思われます。
一般家庭の食費のうちで、動物性たんぱく質の占める割合は50%を超えているでしょう。イノシシが一頭獲れて大きな冷凍庫があれば、一年分の動物性たんぱく質が確保できて食費がぐんと下がります。
その上安全で、低脂肪高カロリーで、ビタミンも豊富なので身体にやさしい。
イノシシを減らせば畑の被害も減るという意味では、里山の暮らしにもやさしい。
イノシシ料理は色んな意味で良いこと尽くめなのです
(了)
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